胃がん ペプシノゲン・便ピロリ 検査
日本の胃がん死亡率は、1960年代から男女とも大幅な減少傾向にあります。
2004年の全がん死亡率中、胃がんは男性で第2位(1位は肺がん)、
女性で第1位となっています。また男女の合計では第1位となっています。
2000年の罹患数は死亡数の約2倍です。
胃がんに罹れば2人に1人が亡くなる計算です。
罹患率も減少傾向にありますが、死亡率に比べて減少の度合いは緩やかです。
■胃がんのリスク
1.喫煙:多くの研究から確立したリスク要因とされています。
2.飲酒:胃の噴門部がんを除いて、関連があるとする根拠が
十分とはいえません。
3.食塩および高塩分食品:疫学研究、動物実験研究から
おそらく確実とされています。
4.ヘリコバクター・ピロリ:確立した胃がんのリスク要因です。
多くの疫学研究や動物実験などから、胃粘膜にすみつく細菌として知られる
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori) の持続感染は、確立した胃がんのリスク要因とされています。
つまり、ヘリコバクター・ピロリの存在を確認することは、胃がん発生のリスクを知ることになるのです。
■胃がんの予防要因
野菜・果物の摂取、特に果物の摂取:おそらく確実な予防要因とされています。
ビタミンC・カロテノイド・にんにく・緑茶など:まだ結論は出ていません。
胃粘膜内の主細胞量を反映するものにペプシノゲンがあります。
ペプシノゲン値は以下の目的で測定されます。
◇胃粘膜の萎縮の有無判定
◇胃分泌機能検査
◇胃粘膜の炎症の有無判定
◇消化性潰瘍の再発性・難治性危険率の有無
ペプシノゲン1は、胃底腺領域に存在し、
ペプシノゲン2は、胃底腺の他、噴門腺・幽門腺・十二指腸腺に存在します。
胃粘膜の萎縮が進行すると、
胃底腺領域は萎縮し幽門線領域が拡張することから、
ペプシノゲン1に対しペプシノゲン?が相対的に増加するため,
ペプシノゲン1/2比が低下します。
また、ペプシンノゲン分泌総量の低値群では、
胃がんの先行病変である萎縮性胃炎、胃がん、切除胃、などが考えられます。
一方高値群では、消化性潰瘍、腎不全、PPIの服用などが強く疑えます。
以上の2つの指標、ヘリコバクター・ピロリ感染とペプシノゲン値を用いて、
胃がんのリスクを知ることができます。