前立腺がん PSA 検査
男性特有のがんに前立腺がんがあります。
前立腺がんには、他のがんと大きく異なるいくつかの特徴があります。
・ 一般的にがんの進行がゆっくりしている。
・ 男性ホルモンによってがんが増殖する。
・ 潜在的ながんが数多くの男性に存在する。
・ 欧米に多くて、アジアで少ない。
自覚症状はあまりない場合が多く、もしあったとしても、
排尿に関連する症状が主で、症状だけからでは前立腺肥大症と区別がつきません。
したがって尿の出が悪い方は、その鑑別のため、一度PSAの検査をする必要があります。
もちろん、がんが進行してくれば症状が出てきますが、
膀胱にがんが浸潤した場合には、血尿や排尿障害が強く出ます。
また、骨に転移すると、転移した部位が痛む場合があります。
近年、PSA検査によって、無症状で発見される前立腺がんの患者さんが増え、
前立腺がん患者の約半数近くを占めるようになってきています。
PSAとは、Prostate specific antigen(前立腺特異抗原)の略称です。
これは、前立腺でつくられる精液の中に含まれるもので、
体外に出た精液を、受精しやすいように固まらなくさせる働きを持っています。
前立線内にあるPSAのごく一部は、前立線から血液中に漏れ出るため、
血液検査をするにより、血中PSA値を測定する事ができます。
PSA値は、女性や手術をして前立腺を摘出された男性では、ほぼゼロです。
反対に、前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺炎などの病気で増えてきます。
この事を利用し、現在PSAは、前立腺がんの早期発見のマーカーとしてだけでなく、
摘出手術後、ホルモン治療など、前立腺がん治療の経過観察のマーカーとしても
用いられています。
PSA の正常値は、4未満です。
ただ必ずしも、4以上ががんで、4未満が正常というわけではありません。
あくまでも、PSA値が高いとがんの可能性が高く、
低いとがんの可能性が低いということでしかありません。、
一般的に、PSA値が4〜10の人では、その中の10〜20%にがんが、
PSA値が10〜20の人では、20〜50%の人にがんが発見されます。
60歳前後の方100人にPSA検査をすると、約10人の方が4以上の値をとり、
その10人をさらに検査してみると、その中の1-2人にがんが発見されます。
つまり100人⇒1-2人の関係です。
こうして発見された前立線がんの多くは、まだ早期がんであり、
しかも前立腺がんは非常にゆっくりと進行するがんなので、
命にかかわる事はまれであると言えます。
もし、検査でPSAが高かったしてもあせることはありません。
落ち着いて専門医にかかればいいのです。