性病検査♂とは
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<尿の検査>
男子の性病(性感染症)の中で、最も多い自覚症状は、排尿痛、尿道からの膿や分泌物、尿道の痒みや違和感などの、いわゆる尿道炎の症状であるといえます。男子全尿道炎の中で、約30%を占めるのが、淋菌性尿道炎です。また、同じく約40%を占めるものに、クラミジア性尿道炎があります。 では、残りの約30%は何かというと、淋菌でもなく、クラミジア・トラコマティスでもないもの、まさに、「その他の菌」と呼ぶしかないのですが、実際には、マイコプラズマ・ゲニタリウムウ、レアプラズマ・アルティカムなどの病原体によるものが多いとされています。
<皮膚の検査>
男性の性器の悩み、性行為後、または、性行為類似行為後の悩みとして最も多いものに、「細菌性亀頭包皮炎」があります。 この疾患の多くは、いわゆる性病を引き起こすような細菌によって起こるのではなく、皮膚の表面に常在している、ありきたりな細菌の感染によって、亀頭や包皮が炎症を起こした状態になるのです。 さらに、この病態が、人間が本来持っている自然治癒力によって、ひとりでに治ってしまえばいいのですが、残念ながら、この疾患は、細菌の皮膚内部への浸透速度が、常に陰部皮膚上皮の再生速度を上回るため、自然には治りにくいという特徴をもった疾患であるといえます。
<のど(咽頭)の検査>
近年、性行為やその類似行為の中での、オーラルセックスの頻度が高くなってくると、性感染症は、細菌学的にも、疫学的にも、より複雑になってきました。 これは、そういった行為によって、咽頭・喉頭に感染する細菌やウイルスの種類が、飛躍的に多くなったことに起因します。 現在、咽頭・喉頭へ感染してくる病原体の、完全なる把握に努める研究者たちの新たな成果が待たれるところですが、すでに把握できている病原体については、疑いがあれば、男女の区別なく、積極的に検査をしていく必要があると思われます。
<血液の検査>
血液検査にて、性感染症の有無を調べるものは、血液中の病原体に対する抗体の存在を見ていくものがほとんどです。 こういった検査は、病原体そのものを見ているわけではないので、極論してしまえば、間違って陽性になる「疑陽性」や、間違って陰性になる「疑陰性」が生じる可能性が常に存在していると言えます。 こういったことを防ぐためには、抗体検査とともに、抗原検査を追加したり、検体の量(血清量)を増やすことで再検査を行えるようにするなど、様々な取り組みが必要になってきます。
性病検査♂キット