咽頭 細菌培養 検査
のどに違和感を感じていて、それが性感染症でないか?
と、疑っている方は意外と多いものです。
当クリニックにおける例を挙げると、
・性風俗に遊びに行って、風俗嬢の性器を舐めてからのどが変になった男子
・逆に、性風俗で働いている女子が、慢性的にのどに違和感を感じている
・風俗は関係なしでも、オーラルSEXを行っているカップルの咽頭の痛み
こういった症例では、希望により、ほぼ全員に対して、
咽頭のクラミジアや淋菌の検査が行われるのですが、
必ずしもこの両者、又は一方の菌が検出されてくるわけではありません。
そういった場合、
やはり、咽頭の一般細菌の培養検査が必要になってくる訳で、
この検査なしで、喉の原因を突き止めるのは不可能、ということになります。
では実際に、咽頭から、クラミジアも淋菌も検出されない場合、
どんな細菌が培養されてくるのでしょうか?
もちろん、正常な状態では、常在細菌叢と
呼ばれる細菌群しか検出されません。
でも、病的な状態の時には、
パラインフルエンザ菌、腸球菌、黄色ブドウ球菌、
A群溶連菌などの病原性をもった細菌が培養されることになります。
理論上、それらの細菌に対して感受性のある抗生剤を投与できれば、
主訴である咽頭の違和感は、完全に治療できるといえます。
ただし問題になるのは、一般細菌の培養以前に、
クラミジアと淋菌の感染は否定出来ているか、ということになります。
性感染症であるクラミジア・淋菌の咽頭感染に関しては、
現在、SDA法という遺伝子増幅検査が行われていますが、
この手法は、いわゆる細菌培養という方法ではありません。
したがって、クラミジアも淋菌もその他の細菌も調べたい、
ということになると、SDA法と細菌培養の併用という方法しかありませんが、
これには、然るべきコストがかかってきます。
要するに、病気に罹る際にもお金を使って、それを調べたり、
治したりするのにも、お金がかかるということです。
ということは、予防を完璧に行えば、大きなコスト削減につながりますね。
私は時に、風俗で働く女子の患者さんに、お客にコンドームを装着してから
オーラルサービスをしてはどうか?と提案することがありますが、
「お店が許してくれない」という答えが返ってくることがほとんどです。
お店の経営者の方も、ここの部分を考えていただけると、
まず、女の子達の健康を守ることになりますし、ひいてはお客さんにも
大きな安心を与えることができるのではないか、と思うのです。